合同フォーラム「みんなでつくろう、明日の人材」
平成25年度 実施記録

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基調講演

本基調講演は、本年度の取組の中心的なテーマであった産業界ニーズ調査に多大なご協力をいただいた日本経済新聞社の人材・教育事業本部本部長付プロデューサー 水無 徹郎氏をお迎えし、「『企業が求める人材像調査』結果から見えるもの」と題してご講演をいただきました。ご講演の内容は、タイトルにもあるように、今年度実施した産業界ニーズ調査のうちの1つ「企業が求める人材像調査」結果をもとに、日経新聞社が進めている人材像調査について、日経新聞社としてそうした調査に取り組んだ目的や背景についてお話しいただきました。その背景には、日本の社会や産業が抱える様々な課題から、「企業が求める資質」と「若者の気質」が変化してきたことがあり、そこから人材ニーズのギャップとミスマッチが発生しているという認識を示されました。

調査結果については、調査を直接担当した株式会社エスユーエス コンサルティング事業部部長 照井 直哉氏から詳細な報告がありました。

最後に、思考・行動傾向によるアンケート調査から見えてきたものについては、“総論”と“具体的な思考や行動”について、差異(多様性)が存在する。そのためには、日々の具体的な思考や行動傾向を検証し、自身を成長させる持続的なサイクルを身につけることが必要だとの見解が示されました。一方で、「企業が求める人材像」の把握は、今後社会で活躍する学生を育成する為の最重要テーマの一つであり、学生が気づき、考える仕組みの構築(可視化と気づき、考える場の創出)がより重要となってくる。そのため、学生の今の人材像と「企業が求める人材像」とのギャップを可視化したマクロ・ミクロ双方からの施策展開が求められると、大学における教育改善につながるアドバイスをいただきました。

ご講演では、日本の経済を深く見つめてきた新聞社であるからこその人材育成への熱い視線を垣間見ることができる貴重な時間となりました。

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パネルディスカッション
「産業界ニーズをどう教育に活かしていくか?」

基調講演に引き続き、パネルディスカッションが行われました。これまで社会からの人材育成の要請に応えるべく大学ではキャリア教育が義務化されましたが、社会から求められる人材像として捉えていたものは必ずしも具体化されたものではなく、むしろさまざまな統計データから推量されたバーチャルな人材像ではなかったか。そうした反省のもと、本取組では、本年度、産業界ニーズの具体的な在りかを求めて、①業種別、職種別の人材ニーズの違いの明確化、②ヒューマンスキルの具体化を探るニーズ調査を実施しました。基調講演の中にもあったように、調査の結果、バーチャルではない、具体的に顔の見える人材ニーズが見えてきました。

本パネルディスカッションでは、基調講演者の講演及び本調査結果もふまえ、緒についたばかりの大学の人材育成について、社会からの人材ニーズをどう教育改善に活かしていくか、また、そのために必要な体制等について産業界、文部科学省、大学がそれぞれの立場から議論しあい、大学での人材育成の在り方を一緒に考えていくこととしました。今回は、教育改善がテーマであることから、大学関係者に多く参加していただきました。文部科学省、産業界(企業)、大学(本取組、他地域)、それぞれの立場から産業界ニーズをどう教育改善に活かしていくかについて議論を行い、教育改善の在り方を一緒に考えていきました。コーディネーターとして本事業のテーマⅢ委員会の委員長校である和歌山大学の山本健慈学長が、それぞれの立場からのホンネを引き出していただき、楽しいパネルディスカッションとなりました。また、会場の学生から質問を受け付け、パネリストの方と意見交換するという時間ももっていただいたことで、教育改善のステークホルダーに学生の存在があることを改めて印象づける時間となりました。最後に、それぞれの立場から若者へのメッセージをいただいて終わりました。

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IS・PBL調査報告 テーマⅢ委員会

午後のインターンシップ・PBL グランプリの審査発表の前に、テーマⅢ委員会の山﨑泉氏(和歌山大学)から、今年度実施した「インターンシップ・PBL 実態調査」の報告がありました。インターンシップ・PBL の実施状況について、その内容、学生の成長、受入れ企業にとっての負担感など様々な角度からの調査結果が報告されました。また、関わっていない産業界等の参加しない理由についても調査結果が示されるなど、今後、インターンシップ・PBL を拡げていく上で参考となる報告となりました。

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インターンシップ・PBLグランプリ2013の実施

インターンシップ・PBLグランプリ2013

グランプリの内容の報告と成果

グランプリでは本事業参加全大学のIS・PBL(4つのIS、9つのPBL)の取組を共有、審査員や参加者のフィードバックを得て、各大学のプログラム改善の参考にできた。グランプリでは学生が発表し、学生が会場運営にも関わり、学生の成長の場を提供できた。本グランプリで紹介された取組は、来年度実施予定の合同PBLモデルプログラムの参考にする。アンケートでは、学生の発表がわかり易かった、他大学の取組が知れて良かったという声が多かったが、成長のエビデンスが明確な発表が少ない、取組の詳細が分からない、ISとPBLは部門を分けて評価した方が良い等の意見もあり、来年度の取組の参考にしたい。

詳しくは、テーマIII IS・PBLグランプリのページをご覧ください。

インターンシップ・PBL意見交換会

インターンシップ・PBL グランプリの審査会終了後に、審査員及びテーマⅢ委員会の委員によるインターンシップ・PBL意見交換会を、下記の通り行った。

意見交換会の内容の報告と成果

意見交換会は、大学側参加者の自己紹介と審査員によるグランプリの講評[表彰式の講評の前のプレ講評](議事1)から始まり、次に、グランプリを受けて、テーマ「事例発表からIS・PBLそれぞれが質の高いプログラムであるための要件を抽出する」(議事2)について話し合いがもたれた。最後にテーマ「関西地域産官学連携の仕組みづくりにどうつなげるか」(議事3)について意見が交換された。特に活発に議論されたのは議事2についてであったが、今後のIS・PBLプログラムの改善・発展のための具体的な方策が審査員を中心に多く提案された。さらに、本事業が進める産学協働人材育成プラットフォームについても意見をいただくことができ、有意義な話し合いとなった。時間の都合で十分深めることができない論点もあったため、IS・PBLについては今後も継続して産官学による意見交換を行っていくことが必要である。


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